自己肯定感の高め方:大人が自己肯定感を高める方法23選

自己肯定感

日々の忙しさの中で、私たちはしばしば自己肯定感の大切さを見失いがちです。

特に大人になると、自己肯定感を高めるための意識的な努力が必要になります。

この記事では、自己理解と受容、健康とウェルビーイング、成長と挑戦、そして社会的関係性の構築という4つの重要な領域に焦点を当て、具体的にどのように自己肯定感を高めることができるのかを探求します。

ポジティブなセルフトークから健康的な生活習慣の実践、挑戦への取り組み、そして豊かな人間関係の構築に至るまで、私たちが日々の生活の中で取り入れることのできる23の具体的な方法を紹介します。

自己肯定感を高めることは、より満足で幸せな人生への扉を開く第一歩です。

自己理解と受容

「自己理解と受容」は、自分自身をより深く知り、受け入れることから始まります。

ここでは、自分の感情や考えを理解し、それらを肯定的に受け止める方法を紹介します。

日記を書くことから、自分にやさしい言葉をかけること、完璧を求めるのをやめることまで、さまざまな手法を通じて、自分自身との関係を改善しましょう。

ポジティブな自己語りや、褒め言葉にどう反応するか、そして小さな成功をどう祝うかも重要です。これらを実践することで、自分を受け入れる力を育て、毎日の自己肯定感を高めることができます。

感情を認識し、自分を受け入れてみる

自分の感情を認識し、それらを記録することは、自己受容を促進する手段とされています。具体的には、感情を紙やデジタルツールに記録することが推奨されています(※1,2 )。

この行為を始める最初のステップとして、日々の感情をノートやアプリケーションに記入することが効果的です。

自分の感情を正直に記録する過程で、自分自身とその問題が置かれた状況や事柄は異なるものであることに気づきます。このようにして、自己と周囲の環境を別々に理解し、自分自身を受け入れることへと繋がるのです。

※1 Do Yourself a Favor and Write Down Your Negative Thoughts

※2 Six Writing Exercises For Stronger Self-Esteem

自分への思いやりを深めてみる

「セルフ・コンパッション」とは、自己に対する温かい配慮や慈しみのことを指します。他人に対して示す思いやりと同様に、自分自身にも同じような態度を持つことで、自己理解や自己受容が促進されます。

このようなセルフ・コンパッションを育てるには、多様なアプローチが存在します。

例えば、自分自身の幸福を心から願う時間を設けることが一つの方法です。また、自分自身に対して優しい言葉をかけたり、自己への手紙を書くことも効果的です。

最近、自分をいたわる時間が不足していると感じる方は、自分に合った方法でこれらの活動に挑戦してみることをお勧めします。

自分との対話を意識してみる

  1. ポジティブな自己会話を実践する
    • 自分に対して肯定的な言葉を使い、自分自身を励ますことが重要です。
    • 「私はできる」「私は価値がある」といったポジティブなアファメーションを繰り返すことで、自己肯定感が高まります。
  2. 否定的な自己会話に気づく
    • 自分が自分自身に対して否定的なことを言っていないか意識することが大切です。
    • 「ダメだ」「できない」といったネガティブな言葉があれば、それを意識してストップし、ポジティブな言葉に置き換えましょう。
  3. 自分自身との対話を日記に記録する
    • 毎日の出来事や感じたこと、自分自身への言葉を日記に記録することで、自己対話をより深めることができます。
    • 日記を読み返すことで、自分の成長や変化を感じることができ、自己肯定感が高まります。
  4. 感謝の気持ちを表現する
    • 自分自身や周囲の人々、環境に対して感謝の気持ちを持つことも自己肯定感を高めるのに役立ちます。
    • 「今日はこれができてよかった」「こんなに素晴らしい友人がいて幸せ」といった感謝の言葉を自己対話に取り入れると良いでしょう。

完璧主義をやめてみる

「完璧主義」とは、過度に自分自身に厳しく、完璧を求める心理状態です。これにより、「もっとできるはずだ」「理想と現実の差に悩む」というように、現実との乖離に苦しみ、自己評価が下がることがあります。

研究(※3)によると、「完璧主義」には健康的なものとそうでないものがあり、不健全な完璧主義は自尊心を低下させ、場合によってはうつ病のリスクを高めることが示されています。

完璧さは、人が作り出した概念に過ぎません。実際には、完全無欠な人や物は存在しません。外見上完璧に見える他人でも、不完全な部分を持っています。

自己肯定感の低さも、ある意味で受け入れる必要があります。自己肯定感は自分の価値を完全に反映するものではなく、性格や生い立ち、環境など多様な要因に基づいて形成されます。必ずしも高ければ良いというものではないのです。

理想を持つことは素晴らしいですが、完璧を目指すのではなく、その過程での自分の努力に焦点を当てることが大切です。

※3 Rice, K. G., Ashby, J. S., & Slaney, R. B. (1998). Self-esteem as a mediator between perfectionism and depression: A structural equations analysis. Journal of Counseling Psychology, 45(3), 304–314. https://doi.org/10.1037/0022-0167.45.3.304

ポジティブに自分と対話してみる

自分を第三者のように扱い、対話することを「自己対話」と言います。これは、自分自身に問いかけたり、励ましたりする行為です。自分に話しかける時は、「あなた」とか「彼、彼女」という第三者形式を使いましょう。

心理療法、特にAEDPやNLPで用いられるこの方法は、ストレスや不安が高い時に特に効果的です。自己対話を行うことで、心理的距離を作り、自分自身を「他人」と見ることができ、ストレスのある状況を乗り越えやすくなります。

例えば、自分に問いかける際は、「彼は一生懸命努力している」「○○くんは、今日ベストを尽くしたね」と第三者の視点から話すことが大切です。

さらに発展的な方法として、日記や手紙で自分を「彼、彼女」として書く方法があります。これは古代ローマのユリウス・カエサルが『ガリア戦記』で用いた方法で、ラテン語の「彼」を意味する「イリイスト日記」として知られています。

カエサルがこれを自己肯定感向上のために使用したかは不明ですが、古くから自己客観化の手段として使われていた可能性があります。

褒められた時のリアクションを変えてみる

他人からの称賛をどう受け止めていますか?特に自己肯定感が低い人々にとって、自分への褒め言葉はしばしば不快なものと感じられることがあります。しかし、これらの言葉を素直に受け入れることは、自己肯定感を向上させる上で非常に重要です。

心理学者ガイ・ウィンチ博士(※4)は、褒め言葉を受け入れることがトレーニングによって学べると述べています。

一つの方法として、まずは「ありがとう」「それは嬉しい」といった基本的な反応を用意しておくことです。これにより、褒め言葉に対して肯定的な反応を示す習慣を身につけることができます。

※4 5 ways to build lasting self-esteem

成果を祝ってみる

日々の生活の中で、私たちはしばしば自分の成果を見過ごしてしまいがちです。しかし、自己肯定感を高める鍵の一つは、自分自身の成果を認識し、それを祝うことにあります。小さな達成であっても、それを認めることは自尊心を高め、モチベーションの向上につながります。たとえば、締め切り前に仕事を完了した、新しいスキルを学んだ、定期的な運動を続けた、など、日常の中のさまざまな達成を祝うことは、自分自身への肯定的なメッセージを送ることに他なりません。

このプロセスは、自己評価を高め、ポジティブな自己イメージを構築するのに不可欠です。自分自身の成果を祝うことで、私たちは自己効力感を高め、将来の挑戦に向けて自信を築き上げていくことができます。

感謝の習慣をつけてみる

私たちの忙しい日常生活の中で、時には周りの小さなことに感謝することを忘れがちになります。しかし、感謝の気持ちを持つことは、自己肯定感を高め、人生に対する満足度を向上させる重要な要素です。感謝の習慣を身につけることで、私たちは日々の生活の中でのポジティブな側面に焦点を当てることができ、これが心の健康に大きく寄与します。

感謝を表すことは、単に物質的な豊かさや成功に対してのみではありません。人間関係、自然の美しさ、日々の小さな楽しみや達成など、生活のあらゆる側面に感謝を見出すことができます。例えば、友人や家族との時間、美味しい食事、仕事での小さな成功など、日常の中で起こるさまざまな出来事に対して感謝の気持ちを持つことができます。

では、実際にどのようにして感謝の習慣を身につけることができるのでしょうか?簡単な方法の一つとして、毎日の感謝日記をつけることが挙げられます。日記には、その日あった良いことや、感謝するべき出来事を簡単に記録します。これにより、ポジティブな出来事を意識的に認識する習慣が身につきます。また、身近な人々への感謝を直接伝えることも、感謝の気持ちを深める素晴らしい方法です。

健康とウェルビーイング

ここでは、心と体の両方の健康を整え、幸福感を高めるための具体的な方法を探ります。質の高い休息、リフレッシュするリラクセーション方法、効果的な筋トレから始まり、健康的な生活習慣を身につけることの大切さを見ていきます。さらに、ポジティブなアファメーションで自己肯定感を強化し、必要に応じてSNSとの距離を保つことの重要性も説明します。これらの習慣を取り入れることで、日々の生活がより豊かで満ち足りたものになり、自分自身のウェルビーイングを高めることができます。

ウェルビーイング(Well-being)とは

一般的に「幸福感」や「満足感」、「健康」など、心身の状態が良好であることを指します。この概念は、単に病気でない、または物理的に健康であるということ以上の意味を含んでいます。ウェルビーイングは、以下のような要素から成り立っています:

  1. 身体的健康:良好な身体の状態、適切な栄養、十分な運動、良い睡眠など。
  2. 精神的健康:ストレスや不安が少なく、感情が安定している状態。
  3. 感情的幸福:日常生活で喜びや満足感を感じること。
  4. 社会的なつながり:友人や家族、同僚などとの健全な関係。
  5. 充実感と目的意識:自分の活動に意味を見出し、充実感を感じること。

ウェルビーイングは、これらの要素がバランス良く統合されている状態を指し、個人の全体的な幸福感や生活の質に大きく影響します。

休憩とリフレッシュ、そして筋力トレーニング

心身の健康は互いに深く関連しています。自己肯定感が低いと感じている方は、心身ともに疲労が蓄積している可能性があります。

適切な休息やリラクセーションを取ること、また体調が良いときに筋トレに挑戦することは、身体の健康を向上させるだけでなく、前向きな思考を促し、結果として自己肯定感を改善するのに役立ちます。

アメリカの認定カウンセラーであるキャサリン・スミス博士は、自分の健康に対する意識を高めることが、自己愛を育む力につながると指摘しています。(※5)

自分の心身の状態に注意を払い、セルフケアの時間を確保することが大切です。セルフケアに慣れていない場合は、その習慣がある人と一緒に行動してみると新たな気づきを得られるかもしれません。

※5 How to Build Self-Esteem: 5 Tactics to Change How You See Yourself

健康的な生活習慣にしてみる

私たちの体は、心と密接につながっています。そのため、健康的な生活習慣を持つことは、自己肯定感を高める重要なステップです。ここでは、日々の生活の中で簡単に取り入れられる健康習慣について紹介します。

  1. バランスの取れた食事:栄養豊かな食品を選び、バランスの良い食事を心がけましょう。食事は心と体の両方に影響を与えます。
  2. 定期的な運動:身体活動は、ストレスを減らし、気分を向上させます。週に数回、好きな運動をすることを目指しましょう。
  3. 十分な睡眠:質の良い睡眠は、精神的、感情的健康の基盤です。規則正しい睡眠習慣を持つことが大切です。
  4. 水分補給:十分な水分を取ることで、体は正常に機能し、集中力も保たれます。
  5. リラクセーションの時間:瞑想、読書、趣味の時間など、リラックスするための時間を設けましょう。

これらの健康習慣を維持することで、体と心の両方が支えられ、自己肯定感が自然と高まります。小さな変更から始めて、徐々にライフスタイルに組み込んでいきましょう。

アファメーション – 自己を肯定的に宣言してみる

「自分にはこれができる」「自分は成功する」といった肯定的な自己宣言を繰り返すことで自己肯定感を高める手法を「肯定的な自己宣言」と呼びます。これらの宣言は、書き留めて目に見える場所に置いたり、定期的に口に出したりすることが推奨されます。

この方法は古くから知られていますが、ガイ・ウィンチ博士によると、特に留意すべき点があります。

特に自己肯定感が低い人々は、現実離れした宣言をすると逆効果になることがあります。これを避けるためには、自分が信じられるレベルの肯定的な表現に微調整することが重要です。

例えば、「自分は成功する!」という表現が信じられない場合、「自分は成功するために必要な努力をすることができる」といった表現に変更することが有効です。

このように、自分にとって受け入れやすい表現を選ぶことで、肯定的な自己宣言の効果を最大限に引き出すことができます。

SNSから離れてみる、自撮りを止める

SNSはしばしば、自分自身を他人と比較する原因となり得ます。特に自撮りの撮影とそれをSNSに投稿する行為が自己肯定感に与える負の影響については、多くの研究で言及されています。(※6)

さらに、体形や顔を修正するためのアプリケーションの使用が自己肯定感に悪影響を及ぼす可能性があるとする研究もあります。(※7)そのため、これらのアプリの使用は節度を持って行うことが推奨されます。

※6 RuoxuWangFanYangMichel M.Haigh(2017), Let me take a selfie: Exploring the psychological effects of posting and viewing selfies and groupies on social media
※7 Apps altering body shapes in videos are ‘crushing young people’s self-esteem’

成長と挑戦

自己肯定感を高めるために必要な、自分自身を発展させ、新たな挑戦に立ち向かうプロセスを探求します。ここでは、これまで避けてきたことに積極的に取り組み、具体的な目標を設定し、一歩一歩前進する方法を見ていきます。また、自分の得意分野や価値を特定し、それらを伸ばすための戦略も紹介します。専門家の支援を受けることの重要性や、芸術や創作活動に挑戦することの楽しさも探ります。これらの活動を通じて、自分自身の能力を高め、新しい成功を経験することで、自己肯定感がより強化されます。

新たな挑戦をしてみる

これまで避けてきたことや、自分ではできないと思い込んでいたことに挑戦することは、自信を高め、自己肯定感を取り戻す助けになる可能性があります。

恐れを感じるのは当然ですが、それが実際にリスクを伴うものなのかを考えることが重要です。

心理療法士でありベストセラー作家のエイミー・モーリンの記事(※8)では、このような恐怖に対処するために以下のステップが効果的だと述べられています。

  1. リスクを洗い出し、再評価する。
  2. 実践的なアクションプランを作成する。

もし実際に成功しなくても、挑戦すること自体が自己肯定感を向上させることに繋がります。

ただし、無理をすることは避けるべきです。困難を感じる場合は、恐怖症の可能性もあるため、セラピストやカウンセラーなどの専門家に相談することも検討しましょう。

※8 How to Face Your Fears

目標設定や小さなステップの達成に意識を向けてみる

ニューヨークの心理学者、クロエ・カーマイケル博士も、達成や成功の体験が自己肯定感を育む上で重要であると述べています。(※9)

しかし、成人になると、子供の頃や学生時代のように日常的に成功を感じることは難しいです。では、どのように対処すれば良いのでしょうか?

重要なのは、たとえ小さな成功であっても、それらを積み重ねることです。目標設定や小さなステップの達成に意識を向けることが大切です。このプロセスは、仕事だけでなくプライベートにも適用できます。

これらの小さな成功を重ねることで、自分の努力を認識し、自身の強みを再発見し、結果的に自己肯定感を育んでいくことができます。

実践が難しい場合は、まず自分が過去に達成したことを紙に書き留めてみることをお勧めします。この振り返りは、自己肯定感を高めるのに役立つため、試してみてください。

※9 How to Improve Your Self Esteem

自分の得意なことや価値を知り、それを伸ばしてみる

「自分の得意なことを活かして成果を出すことで、自己肯定感は強く築かれる」とガイ・ウィンチ博士は述べています。これは直感的にも理解しやすい概念です。

では、自分が得意とすることや真の才能は何でしょうか?最初のステップとして、思いつく限りのものを紙に書き出して特定してみましょう。そして、日々の生活の中でこれらを積極的に活用し、他人にも披露してみるのが良いでしょう。

例えば、人の世話をするのが得意ならばボランティア活動に参加したり、料理が得意なら人を招いて料理を振る舞ったりするなどです。細かい作業を丁寧に進めることが得意なら、そのスキルが求められる職場を選ぶのも一つの方法です。

さらに、定期的に自分にとっての価値や成功の定義を見直すことも大切です。何を重視し、どんな成果を目指すのかを理解することで、行動に自信を持ちやすくなります。このためには、自分にとっての価値や成功が何かを考え、それを紙に書き出して明確にすることが有効です。

専門家の支援を受けてみる

私たちの人生には、時に一人で解決できない課題や、抱えきれない感情が生じることがあります。自己肯定感を高めるためには、こうした状況において専門家の助けを求めることが非常に有効です。心理療法士、カウンセラー、またはコーチなどの専門家は、私たちの心理的な障害や自己認識の問題を理解し、解決するための支援を提供してくれます。

専門家の支援を受けることで、自己理解を深めることができます。彼らは、私たちの行動の背後にある感情や考え方を明らかにし、それらをより健康的なものに変えるための戦略を提案してくれます。これは、自己肯定感を高める上で重要な一歩となります。また、専門家は非常に客観的な視点からアドバイスを行うため、自分では気づかないような洞察を提供することができます。

また、専門家の支援を受けることは、自己肯定感の低さが日常生活や人間関係に影響を及ぼしている場合に特に有効です。彼らは私たちが抱える問題を解決するための具体的なテクニックやスキルを教えてくれます。これには、ストレス管理の技術やコミュニケーションの改善、感情のコントロールなどが含まれます。

最後に、専門家の支援を受けることは、自分自身への投資であり、自己成長の一環と考えることができます。自己肯定感を高める旅は一人で行う必要はなく、専門家の知恵とガイダンスを活用することで、より早く、効果的な結果を得ることができるでしょう。

アートやクリエイティブなことをしてみる

アートや創作活動が自己肯定感を向上させる助けになるとされています。カウンセリングの場では、アートセラピーとしての芸術活動が取り入れられることもあります。(※10)

創作過程で自分の内面や感情に向き合い、それを作品に表現することは、ストレス解消にもつながります。創作には正解も勝ち負けもなく、どのような作品でも受け入れることができます。このプロセスを通じて、意思決定の喜びを感じたり、作品完成の達成感を味わったりすることがあります。技術が向上すれば、それは自信にも繋がります。

創作活動は自己肯定感を高めるための多くの要素を含んでいると言えるでしょう。音楽、絵画、小説、料理、ダンス、園芸など、過去に体験したことがあるものでも、新たに挑戦するものでも構いません。興味がある分野での創作活動にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

※10 Raising Self-Esteem in Adults – An Eclectic Approach with Art Therapy, CBT and DBT Based Techniques

社会的関係性の構築

私たちの自己肯定感は、他者との関係性の中で大きく形成されます。この「社会的関係性の構築」のセクションでは、健全で支え合う関係を築くための具体的な方法を探ります。

断ってみる

自己肯定感が低いと、他人に「No」と言うことが難しくなることがあります。これによって、家庭や職場で過剰な負担を背負い、心身のストレスが増大することもあります。

シンプルに「No」と言うことは、実は自己肯定感を高めるための一つの手段です。(※11)

さらに、相手に対して敬意を持ちつつ自分の意見を伝えることは、「アサーション」と呼ばれ、この能力を高めることが自己肯定感向上に繋がります。

このスキルは最初は難しく感じるかもしれませんが、日常生活での小さなシチュエーションから始めてみることがお勧めです。例えば、レシートの受け取りを断る、チラシの受け取りを断るなど、日常の些細な場面で断る練習をして、徐々に「No」と言うことに慣れていくことが重要です。

※11 Improving Self-Esteem

他者へ貢献してみる

他人への貢献は、自己肯定感を高める効果があるとされています。日本で行われた学生を対象とした研究では、ボランティア活動が自己肯定感を向上させる結果が得られています。(※12)

例えば、スポーツが得意な人は地域社会でコーチを務めたり、仕事の経験が豊富な人は若手のメンターとして活動するのも良い方法です。

自己肯定感は自分自身への価値の認識でもあります。他人の役に立つことへの誇りや、そこから生まれる社会的なつながりは、自己肯定感を強化することに寄与します。「情けは人のためならず」というようなことわざは、自己肯定感に関しても真実を伝えています。

日常生活で他人のために何か行動を起こし、その結果を振り返ることで、自己肯定感を高める一歩を踏み出すことができるでしょう。

※12 川田 虎男, 志塚 昌紀(2016), ボランティア活動が学生の自己肯定感に及ぼす影響
: 大学生ボランティアのヒアリング調査より

他者を許してみる

多くの人が経験するように、許しがたい出来事や人によって苦しむことは一般的です。心理学者シラルディ博士は、自著の中で「他人を許すことが自己肯定感を高める」と述べています。(※13)

許すことは決して容易ではなく、どんなに論理的に考えても、許せない人や状況が存在することもあります。すべての場合で許しが最善とは限りません。

しかし、他人に許しを与えることによって、自分自身を取り戻し、自己肯定感を向上させることができるというのも、有効な視点の一つです。許しは、自己肯定感の増進に寄与する可能性があるのです。

※13 The Self-Esteem Workbook (A New Harbinger Self-Help Workbook)

ボランティアに参加してみる

ボランティア活動は、自己肯定感を高める有効な方法の一つです。他人を助けることで、自分自身の価値を再認識し、より大きなコミュニティの一部としての属する感覚を得ることができます。このセクションでは、ボランティア活動がどのように自己肯定感にプラスの影響を与えるかについて掘り下げます。

  1. 他者への貢献:他人を助けることは、自分自身の能力を実感し、自尊心を高めます。ボランティア活動に参加することで、他人への貢献が自己肯定感にどのように影響するかを体験できます。
  2. 新しいスキルの習得:ボランティア活動を通じて新しいスキルを学ぶことができます。これは自己発展につながり、自信を高める効果があります。
  3. 社会的つながりの構築:ボランティア活動は新しい人々と出会う機会を提供します。これらの社会的つながりは、支持とエンパワーメントの感覚をもたらし、孤独感を減らします。
  4. 感謝と充実感:他人のために何かをすることで、感謝されることはもちろん、自分自身の内面的な満足感も得られます。

ボランティア活動を通じて、他人への貢献と自己成長を経験し、その結果として自己肯定感を高めることができます。小さな一歩から始めて、自分に合った活動を見つけることが大切です。

人間関係を見直してみる

ある調査によれば、自己肯定感が低い人々は、自分の自尊心を下げる人々との関係に安心感や快適さを見出すことがあるとされています。(※14)

確かに、そのような関係性は一時的な心地よさや安心を提供するかもしれません。しかし、自己否定的でネガティブな影響を与える人間関係は、長期的に見ると自己肯定感に悪影響を及ぼすことがあります。

自分のペースで、そうした関係性を整理し、距離を置くことも検討してみましょう。

「他人を許す」というセクションで触れたように、全てを許すわけではありません。特に自分に対してネガティブな影響を及ぼしている人々に対しては、厳しいアプローチが必要です。

周囲の人々との関係をポジティブな方向に変えていくことは、意識的な努力が必要ですが、自己肯定感を育てる上で非常に重要なことです。

※14 Low Self-Esteem Predicts Indirect Support Seeking and Its Relationship Consequences in Intimate Relationships

時間の管理を見直してみる

時間管理は、自己肯定感を高めるための鍵となります。効果的な時間管理によって、日々のタスクをコントロールし、ストレスを減らすことができます。このセクションでは、時間管理のスキルを向上させる方法と、それがどのように自己肯定感に影響を及ぼすかについて説明します。

  1. 優先順位の設定:一日のタスクに優先順位をつけることで、重要なものから順に取り組むことができます。これにより、効率的に時間を使うことが可能になります。
  2. リアルな目標設定:実現可能な目標を設定し、それに向けて計画的に進めることで、達成感を味わうことができます。
  3. 中断と邪魔を減らす:集中力を保つために、中断や邪魔を減らす工夫をしましょう。例えば、メールのチェックは一日に数回に限定するなどです。
  4. 休憩の重要性:短い休憩を取り入れることで、集中力と生産性を保つことができます。
  5. 反省と調整:日々の終わりに、時間の使い方を振り返り、必要に応じて次の日の計画を調整しましょう。

効果的な時間管理は、日々のタスクをスムーズに進めるだけでなく、自己肯定感を高め、生活全体の質を向上させることができます。

まとめ

日々の生活の中で大人が自己肯定感を高めるための具体的な方法を23個説明してきました。

全体的に、自己肯定感を高めるためには、自己理解、健康、成長、そして良好な人間関係が重要だと思います。

自分にできることから実践していけたら良いですね。

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