「ろくでもない」という表現について詳しく解説
この記事では、「ろくでもない」というフレーズに焦点を当てます。「ろくでもない」は、「全く価値がない」という意味で、問題を起こす人々や劣悪な物を示す際に使われる批判的な言葉です。「ろく」が何を意味するのか、どのように漢字で表されるのかを知っていますか?この記事では、「ろくでもない」の使い方や意味を深く理解し、適切に使えるようになるための情報を提供します。
「ろくでもない」というフレーズの意味と用法
例えば、お金の使い方が荒く、酒を飲みすぎ、頻繁に恋人を変えるなど、品行方正でない人を「ろくでもない」と表現することがあります。他にも、「ろくなものじゃない」「ろくでなし」という言い回しもありますね。さらに、「病気でろくなものしか食べていない」「忙しくてろくに寝ていない」といったように、否定的な意味合いで様々な状況に使われる「ろく」。一体、何を意味するのでしょうか。
「ろくでもない」の意味について
まずは、「ろくでもない」の意味を辞書で確認してみましょう。
形口(「碌」は当て字で、意味は無意味で、何の価値もない、つまらないというものです。
出典:精選版 日本国語大辞典より
「陸」や「碌」という漢字を使用し、「ろくでもない」とは価値がない、くだらないと表現されます。「陸」という漢字がどうして「ろく」と読まれ、なぜそれがつまらない意味になるのか、その疑問についても調べてみましょう。
「ろく」の意味は?
「陸地」「陸上」などで通常「りく」と読む「陸」の漢字を「ろく」と読む場合の意味を辞書で再確認しましょう。
名・形動としては、1. 正常や満足な状態を指し、また平坦な土地や物の面、気分の平穏なことを意味します。「碌」は当て字です。
出典:デジタル大辞泉(小学館)より
「陸」という漢字を「りく」と読むのは漢音で、中国から伝わった呉音では「ろく」と発音されます。この場合、まともであること、十分なこと、平穏なことを意味します。これを否定する形が「ろくでもない」であり、結果的にまともではない、十分ではない、価値がないという意味になります。
「ろくでもない」の使い方や例文
具体的な例文を通じて、「ろくでもない」の使い方を見てみましょう。
1. 一目惚れした彼はギャンブル好きのろくでもない男で、姉はすぐに別れた。
2. 友人からもらった掃除機は、吸引力が弱くてホコリ臭いろくでもないものだった。
3. 一人部屋を親に頼んだが、「ろくに掃除もしない子にはダメ」と言われた。
1. は人に対して、2. は物に対して、「ろくでもない」という表現が使われています。3. では「ろくに」という形で使われ、十分にしないことを示しています。「ろく」はまともなことを意味しますが、「彼はろくである」のようには使われません。否定形での使用が一般的です。
「ろくでもない」の類義語
「ろくでもない」と同じ意味を持つ言葉をいくつか紹介します。
「くだらない」:価値がない、取るに足らない、程度が低いという意味で、否定的なニュアンスを持ちます。語源には諸説ありますが、「下る」を否定形にした言葉です。
「価値がない」は、面白みがない、重要でない、注目に値しないといった複数の否定的なニュアンスを含みます。「くだらない」と似ていますが、「価値がない」はより個人の関心や価値観が基準になります。
例えば、「ゲームは意味がないが、時間潰しには楽しめる」と「ゲームには魅力を感じないため、時間潰しにも利用しない」という表現があります。「価値がない」は物事の質よりも魅力を感じない、興味が持てないという個人の感覚を指します。
「不適切」:適正な状態ではない 「不適切」とは、目的に合致しない状態や効果が期待できない状況、または行うべきでない行為を指します。囲碁の用語である「駄目」という表現は、相手との境界に位置するが自陣にはならず、無駄なポイントとなることから、行っても無駄、行うべきでないという意味になりました。「家事もせずに遊んでばかりの夫は本当に不適切な人だ」「そんな言い方は不適切だ」という使い方があります。
「価値のある」の対義語は何ですか?
次に、不適正、無価値の反対、すなわち責任感がある、価値があるなどの意味を持つ表現を紹介しましょう。
「適正」:適切である 「適正」は、直接向かい合う、隠れた意図や策略がない状態を意味します。また、責任感がある、正当であることも指します。使用例には「憧れの彼女と適正に話すことができない」「嘘をつかない彼は適正な人物だ」「適正に戦って勝つことができる相手ではない」といったものがあります。
「尊い」:高い価値を持つ 「尊い」は、価値が高い、地位が高い、代えがたいものという意味を持ちます。金、銀、プラチナなど、酸化せず、化学反応を起こしにくく、産出量が少ないものは「尊金属」と呼ばれます。
「尊い」と同じ読みである「貴い」も、高い価値、崇高、神聖などを意味し、神や仏への信仰、尊敬の念など主観的な価値を含みます。
「ろくでもない」の英語は?
「ろくでもない」を英語で表現すると、
「good-for-nothing」が近い意味合いで、役立たず、甲斐性なしという意味で使用されます。例文には「My son is a good-for-nothing fellow.(私の息子はろくでもない人だ)」があります。また、「worthless」も「ろくでもない」を表すのに使用できる英語の単語です。
「無価値」:価値がない 「worth」とは価値や財産を意味し、それに否定や不足を表す接尾辞「less」を組み合わせた「worthless」は、価値がない、無用、無益といった意味合いを持ちます。実際の例文を通してその用法を確認してみましょう。
・彼女の夫は何の役にも立たない人だ。 (Her husband is a worthless fellow.) ・彼の持つ知識は何の役にも立たない。 (His knowledge is worthless.) ・この本は私には何の価値もない。 (This book is worthless to me.)
「ろくでなし」とは
「ろくでなし」とは、日本語で「何の価値もない人」や「役に立たない人」を表す言葉です。この表現は、特に社会的、道徳的な規範や期待に反した行動を取る人物に対して使われることが一般的です。また、「ろくでなし」は軽蔑や非難の感情を込めて用いられる場合が多く、その人の行動や性格が周囲の人々にとって受け入れがたい、または望ましくないと感じられるときに指摘する際に使用されます。
例文としては、以下のような使い方が考えられます:
- 「あの人は本当にろくでなしで、約束を何度も破っては周りを困らせている。」
この言葉は、「ろくでもない」や「ろくなものじゃない」と同様に、否定的な意味合いを持つ表現として使われますが、「ろくでなし」は特に個人の品性や行動に焦点を当てた強い非難を含んでいます。
まとめ
「ろくでもない」という言葉を使われないように 本記事では、「ろくでもない」という言葉の意味、使い方、類語について説明しました。「ろくでもない」は常に否定的なニュアンスを含む表現で、価値がない、つまらないといった意味があります。その類義語としては「くだらない」があり、対義語としては「まとも」が挙げられます。英語では「worthless」と表現されることが理解できたでしょう。
「陸」という名前は2006年に男の子の名前ランキングで第一位となり、現在も人気が高い漢字です。この字は大地の壮大さや、そのスケール感、そして真面目さを連想させます。しかし、「ろくでもない」や「ろくにしない」といった表現は、堕落した印象を与えかねないため、使う際は注意が必要です。
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